ベースマップの総描

ベースマップで地図記号表現を工夫する時、それを総描と呼びますが、その多くは結果的に省略に見えることがあります。しかし単純な省略ではなく、データの伝達という目的を、決して捨ててはいないのです。確かにより忠実にデータを表現するためには、省略しない方が良い場合も多いのですが、地図作成においては総合的な勘案が非常に大切になります。この総合力を養うためには、単に地図作成スキルを身に付ければよいというものではなく、人文学、自然科学、歴史等に通じていなければなりません。総描というプロセスは、基本的には縮尺変更時、或いは特定の目的が定まった時に、行われるのが通例です。特に縮尺が小さくなった時は、誰もが総合的な視点で対策を練る必要に駆られます。

仮に何の対策も立てることなく、単純に縮尺を小さくしたとしましょう。それまでバランスよく書き入れられていた地図記号同士がぶつかり合い、重なり合い、読み取りの困難な地図になってしまいます。もちろん見た目の美しさも破壊されてしまいます。これでは地図の明瞭性という目的は消失したようなものです。ところで、この明瞭性の消失は、縮尺が小さくなった時に限らず起こり得ます。主題と無縁の情報が細々と書き入れられれば、読み取り辛いのは言うまでもありません。

このように、地図の明瞭性を失わせないためにも、何か対策を打たなければなりません。それが総描なのです。典型的な総描は、地図記号を削ることです。煩雑さを和らげることで、読み取り易さが回復します。地図記号を削除するということは、色々な調整が必要になります。特にデータの再検討は必須です。因みにデータをいじるだけで解決するのであれば、総描の必要性はありません。

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