注記の役割の多様性

注記には固有名詞としての役割と、凡例や一般図式としての役割とがあります。加えて、主題内容の位置や広がりを示すこともあります。一般図であれば、注記は図式の規定に則るだけです。ですから一律に書き入れられるに過ぎません。しかし主題図においては、主題との関連性が影響し、注記が付いたり付かなかったりします。つまり必要だからこそ付いているわけで、そこには主題の読み取りにおいて重要な情報(特に位置や広がり)が含まれていると分かるのです。

注記は内容さえ確かならそれでよいと済ませるのではなく、書体、字形、字大、字列、字隔等をデザインすることが大切です。これらを詳しく見ていくことにしましょう。まず書体ですが、いわゆるフォントを意味します。地図で使われる書体と言えば、明朝体、ゴシック体が定番ですが、それには理由があります。明朝体は縦線が太く、横線が細くなっています。三角の山が付いているのが最大の特徴で、種類も豊かです。ゴシック体の特徴は、何と言っても線の太さが一定である点です。細い線も太い線もありますが、いずれも一定で変化しません。これらは表題や地名、道路名等、地図には欠かせない注記に用いられており、誰もが目にしているフォントです。ですから慣例も多く、山にはゴシック体の変形文字、水には明朝体の変形文字という具合に、お決まりの使われ方が存在しています。

フォントには他に、丸ゴシック体、教科書体、楷書体、隷書体等がありますが、いずれも地図には使われません。また、ローマ字にもフォントが存在し、センチュリーオールド、ゴシック等が知られています。多くのフォントにはライト、メディウム、ボールドの別があり、またイタリック、コンデンスといった崩し書きが存在することも共通しています。

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